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Bye Bye Moore

猫マンション建築の野望を胸に零細事業主として資本主義の荒波に漕ぎ出したアラサー男の技術メモ

【読書メモ】世界を変えるデザイン

世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある

世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある

本書は「残り90%のためのデザイン」というデザイン展の内容を踏まえた、
BOP市場向け商品、コンセプトを紹介する本です。

私のような門外漢からすると、どうもデザインというのは良く分からないものです。
文字の位置を紙面比10%ほど右方向にズラすと高級感が〜等々、何かにつけて定性的で取っつきにくい分野であります。

ただ大上段に環境保護だー持続可能だーというだけの単純な本ではありません。
例えば、

  • 低価格な農業用濾過装置は精算コストを鑑みても先行品の10倍にも達する

という事例が提示されるなど、このBOP市場は上手くやれば慈善事業には収まらない市場規模がある事を示しています。

また、

ユーザの手に入る資源・資材や道具、彼らの望みと差しせまったニーズ(ユーザーがどのような生活、仕事をしているか)を理解することが重要だ。そのようにしてデザインされたモノやシステムは、シンプルかつ機能的で、オープンソースになりうる。それは使う人々に力を与える。人々を自立させ、起業家へと変貌させる。
p.16

といった風に安価で容易に製造できる事それ自体が経済の発展につながるという指摘も。

とはいえ、いい事ばかりでもないのも事実。
たとえば本書でも積極的にPUSHされてる「Qドラム」という転がして水を運ぶ装置については、
以下のように「実は普及しなかった」なんてものも。
世界が賞讃した発明・Qドラム…が使われていない訳 | 着ぐるみ追い剥ぎペンギン
8年の実地試験が終わっていようが、それが終われば他のユーザは「購入」するしかありません。
一日2ドルとかいう世界で販売価格が65ドル*1、しかも利益は出さないというのはちょっと……。

で、これを読んでどうするのか

これから世界がどうなっていくかは分かりませんが、
現状2ドルで生活しているとも言われる人々がそのままという事はまずありえないはずです。
今から、「本当のニーズにあわせたデザイン」について考えるのも悪くないかも知れません。

*1:実際には関税もかかるので更に高価