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Bye Bye Moore

猫マンション建築の野望を胸に零細事業主として資本主義の荒波に漕ぎ出したアラサー男の技術メモ

【読書メモ】セルフビルドの世界: 家やまちは自分で作る

タイトルにある「セルフビルド」という言葉を知りませんでした。
オビの文言から建築や地域社会の事を指すのかと思っていましたが……どうもそうでない。
我々技術屋の語彙に落とし込むと「Makers Movement」に相当する言葉のようです。
そんな事もあってか、本書の内容は建物を中心に据えつつも実に混沌としています。
以下、裏表紙の冊子紹介をそのまま引用します。

フツーの人が手作りした驚嘆の家!トタンでできたバー、トラック上の2階建住居、アウトサイダーアート的な「秘密の家」、びっしりの貝殻でできた公園、湖に浮かぶ村、0円~500万円で建てた家、「磯崎新の隠れ家」など、圧倒されまくる30の物件。自分の家という世界や、共同体を作る熱い思い。文庫化にあたり2篇を新取材。迫力のカラー写真満載!

わけが分かりませんね。
上記の例では日本の事例ばかりですが、東南アジアの水上生活者、ネパールのコミュニティ等々、海外の話題もあります。

と、紹介されている事例は豊富で非常に面白いのです。
問題は「典型的文化人」としか言い様が無い作者の視点。
特に前書きから中盤までが酷い。
回りくどい表現で大量消費社会ガー欧米ガー等々、左巻きの政治パンフレットめいた悪臭が鼻をつきます。
ところが、途中で急に文体が丸くなり、表現もスッキリしてきたりします。
連載元雑誌がサブカル誌からインテリア誌に変わったらしく……ナルホド。

補足:「0円ハウス」について

0円ハウスの件は個人的にお気に入りトピックなので補足をば。
文中で「一冊では紹介しきれない」と書いてありますが、
こちらの本では作り方から載ってます。
作者の視点も、「現社会を肯定しつつ、軸をずらした視点を提供する」というスタンスで好感が持てます。
興味のある方は、こちらも是非。