Bye Bye Moore

猫マンション建築の野望を胸に零細事業主として資本主義の荒波に漕ぎ出したアラサー男の技術メモ

【読書メモ】スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家

スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家

スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家

愚かな投資家と幼稚な起業家とは中々厳しい表現を使うなぁというのが第一印象。
著者は50歳でニューズウィーク社をレイオフされスタートアップに転職した人物。
元は技術系の記事を書いていただけあって、業界にはそれなりに通じています。

転職先は華麗な営業チームが爽やか且つ情熱的スピーチで出資や大型案件を決めていく……そんな、「ハッカーと画家」で書かれた良くない企業。
徹底的に王道から逸れた経営陣と作者のいがみ合いは、巷の俗説「アメリカのスタートアップは経験豊かな壮年社員と若手が協力して」などというのが戯言に過ぎない事を示しています。

とはいえ、この作者自体も相当に癖のある人物ではありました。

例えば、序文にて以下のように吼えております。

彼らは上から言われたことをうのみにする熱狂的な信者で 、自分でこしらえたフィルタ ーに守られた世界で暮らしている 。自信と自己愛にあふれ 、批判や現実などものともせず 、外の世界から自分たちがどれほど滑稽に見えるかに気づいてもいない 。

……業界雑誌という羽織ゴロの一端を担い、最終的に叩き出された初老男の発言と見れば実に味わい深い。
出勤初日に上司が年下だという程度の事で噴き上がっている様子からも、前職からして人望は無かったのでしょう。
更に言えば、年齢差別だと怒り狂った次の章で、自分の失言は下ネタだジョークだと開き直りといった俗悪マスコミまんまの行動も。
終始、賢い俺様と無能なガキ共という目線。
日立から転職失敗した意識高い系が居ましたが、あれを更に重体にした様な感じです。

私に堅実に商いを進めようと固く誓わせたという意味では非常に有意義な本でした。