Bye Bye Moore

PoCソルジャーな零細事業主が作業メモを残すブログ

【読書メモ】競争しない競争戦略

経営の本です。
「消耗戦から脱する3つの選択」という副題にもある通り、
ポジショニングをちゃんとやりましょうって本です。

まず、業界にはリーダー企業というものが存在する前提で議論が進みます。
リーダー企業というモノはライバル企業に対し同質化、属領化を強いる傾向があると著者は考えています。
その上で、リーダー企業と対峙するための3つの選択肢が挙げられています。

  • ニッチ戦略
  • 不協和戦略
  • 協調戦略

いかに自社の立ち位置を持ち、相手主導で同質化されないようにするか、というお話が進んでいきます。

ニッチ戦略

これは割りと有名。
強力な武器と確かな市場を抑える事で生き残りを図る方法。
具体例として10個ほど。

  • 技術
  • (販売)チャンネル
  • 特殊(用途)
  • 空間
  • 時間
  • ボリューム
  • 残存
  • 限定
  • カスタマイズ
  • 切り替え

ただし、これに固執しすぎると市場が細ってしまう懸念もあると。
この問題については
ニッチは複数持つことができる点、
極めれば新市場の開拓にも使えるという事例も紹介されています。

不協和戦略

これは結構珍しい視点のような気がします。
業界構造を利用して、相手に同質化されない為の手法です。
中々胸糞というか、ある種破壊者めいた振る舞いですね。
リーダーの強みを弱みとしてしまう事で同質化を阻止する4つの事例が出てきます。

  • 企業資産の負債化
  • 市場資産の負債化
  • 論理の自縛化
  • 事業の共喰い化

協調戦略

リーダー企業の同質化につきあいつつ、主導権はあくまで自分が握るという方法。
自社無しにはバリューチェーンを構築できないようにしたり。

  • コンピタンス・プロバイダー*1
  • レイヤー・マスター*2
  • マーケット・メイカ*3
  • パンドラ*4

おわりに

早稲田の経営学系の先生が出版された本であるため、
結構アカデミックな話よりになってはいます。
MBAホルダーはこういうのを勉強しているんでしょうねぇ……。
実務の人ではないので、又聞きや調査が中心になっており生々しさが不足しているものの、
事例集や考え方のヒントとしては非常にいい本でした。

*1:コア部品の供給。GEのエンジンとか。我々の業界ではARMさんですかね

*2:特定の機能供給に特化

*3:新たな市場を切り開く

*4:他の業種とのコネをつくる