Bye Bye Moore

PoCソルジャーな零細事業主が作業メモを残すブログ

【読書めも】農民芸術概論綱要

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昨今のコロナ禍でいろんな方面のメッキがボロボロと剥がれています。
今日もとある劇作家*1が炎上しておりました。
曰く、工場は再開すれば直ぐ売り上げが回復するから良かろうが、
劇場は再立ち上げに時間が掛かるから重点的に支援しろ云々。
どうも文化人気取りは実業を軽くみている節があり、
「お前らに文化は生み出せなかろう? 俺様たちが作ってやるからシッカリ貢げ!」
というような趣旨なことを小癪な表現を交えて主張する傾向がみられます。

もっとも、これは作家全てに当てはまる事象出ない事も事実です。
例として宮沢賢治は(病気療養で休むことは多かったものの)、農学校講師や化学メーカーの営業としてしっかり社会に関わっています。
そういう地に足のついた観点から作られたエッセイがこの「農民芸術概論綱要」です。

宮沢賢治 農民芸術概論綱要

このエッセイは大正のものです。
が、もうこの時点で職業宗教家や職業芸術家の傲慢さが言及されている辺り、
これは業界の病理なのかもしれません。

読んだきっかけは上掲のおハイソ気取り文化人への糾弾コメントからでしたが、
このタイミングで読めてよかったなと個人的には思っています。

ある種、大量生産主義に対するMakerムーブメントのように、おハイソ化・官僚機構化した先にはこういった個別化の動きが(成功するかどうかはともかくとして)あるのかもと感じました。

*1:コンクリートから人へなどと吹いた輩の一人