Bye Bye Moore

PoCソルジャーな零細事業主が作業メモを残すブログ

【読書メモ】 ソラミツ 世界初の中銀デジタル通貨「バコン」を実現したスタートアップ

日本のスタートアップがカンボジアで政府系電子通貨の基盤を作りましたよという、中々すごい話の中の人トーク本。
使われているブロックチェーンのコア技術はLinux財団がバックアップしてるオープンソースなプラットフォーム環境HyperLedgerの派生版だそうで。
Hyperledger – Open Source Blockchain Technologies
作中でも言及されていますが、万が一企業が滅びてもオープンソースであれば基盤は生き続けるっていうの、こういう堅いシーズにとっても魅力的なんですね。


日本円は世界でも有数の信用通貨なのでイマイチ危機感がないですが、そうでもない国は外国通貨で自国経済が上書きされる事が安全保障上問題であるという話は私にとっては中々衝撃的でした。
このカンボジアの場合はアメリカドルの信用力が高すぎるので、中央銀行は少額決済を中心にしたプラットフォーム環境としてバコンを立ち上げ、市場から集めたアメリカドルを管理下に置きたいという思惑があるみたい。
個人的には家電量販店のポイントカードに流通性・交換性がついたみたいな印象をうけました。

最後の方では他のブロックチェーン技術界隈、特に中国が進めているデジタル人民元について言及があり、
余裕ブッこいていると日本かて対岸の火事ではないぞ、という筆者の危機感が伝わってきます。
一時大騒ぎされていたFacebookのリブラ*1も、こういう文脈がわかると、なるほど国家は警戒するだろうなと理解が進みます。

*1:現在はディエムという、当初とは異なる形のものに変化