Bye Bye Moore

猫マンション建築の野望を胸に零細事業主として資本主義の荒波に漕ぎ出したアラサー男の技術メモ

【読書メモ】成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則

巷ではポジティブ思考が賞賛されています。
本誌はそういったポジティブ思考が本当に役に立つものかどうか、数値を交えて検証していく本です。

作者はドイツの心理学者で、当初は夢・願望が人生にもたらす有益な効果を実測しようとしていたそうです。
ところが、証拠を揃えていくうちに全く逆の結果が得られました。
すなわち、夢・願望を強くもつ人でも実際には幸福から遠ざかっているケースが多いと。
その原因が、曖昧かつ実現困難な目標設定、ならびにその空想によって浪費されたエネルギーにあると結論付けます。


この対抗策として作者のチームが編み出したのがWOOPというシンプルなメソッド。
WOOPはそれぞれ以下の単語の略です。

  • Wish(願望)
  • Outcome(望む結果)
  • Obstacle(実現する上での障害)
  • Plan(実行計画)

一つ例をあげると、こんな感じになります。
Wish「体調回復のため9時間睡眠をしたい」
Outcome「疲れが綺麗にとれている」
Obstacle「」
Plan「もし割り込みの仕事入った時は、原則翌朝対応にする。」
最後のPlanがキモです。このPlanの実現性やアプローチから、Wish自体の妥当性を再検討できる仕組みになっています。
到底実現不可能な計画なら軌道修正が必要です。
また、計画通りやったのに望んだ願望が実現していないならその願望の基準を変更するなり、計画を変更したりします。

学者さんの本らしく、WOOPのアプローチを使った心理学実験とその結果(論文ベース)が出ておりそこらの自己啓発本とは相当趣を異にしています。

理屈と事例のバランスがよく、私個人非常に学ぶところが多い、よい本でした。
ただ、個人的には(おそらく出版社主導でつけられたであろう)自己啓発系タイトルが引っかかりますね……。
もしやと思い英語版のタイトルを見てみると"Rethinking Positive Thinking"とあり、「捨てろ」とまでは書いてませんでした。

Rethinking Positive Thinking: Inside the New Science of Motivation

Rethinking Positive Thinking: Inside the New Science of Motivation