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PoCソルジャーな零細事業主が作業メモを残すブログ

【読書メモ】読書について (岩波文庫)

Youtubeを見ていたら、こんな動画がレコメンドに出てきました。
youtu.be


今は多読が持て囃されるご時世ですが……それは19世紀でも変わらなかったようです。
本書では、その多読が有毒であるという指摘を19世紀ごろに指摘していたという内容。

曰く、雑草が土地の栄養を奪って麦を枯らすように、悪書は読者のカネと時間と注意力(この場合、思考力とも)を奪うだけだ、自分に思想や仮説がない状態で何詰め込んでも毒にしかならない……と。

作中では、良書をよく読むため、そもそも読まずに済ます思考法を磨けともいわれています。
宣伝された文学はもとより、大騒ぎになった政治的、あるいは宗教的文章にも一々反応するなと。
この言説に従えば、読まずに批判するのはフェアじゃないという立場もダメですね。
反応する暇があったら過去の名著を味わって読むほうがよいと言っているわけですから。
大昔に読んだ、優秀なハッカーになるための心得って文章にも炎上案件は覗くだけ無駄という話ものってました。
こういう知恵は時代、職種を問わず共通なのかもしれません……。