栽培作物というと米や麦、精々粟や稗みたいなものを想像していました。
本書のカバー範囲はそれよりはるかに広く、イモやパンノキ、ウリみたいなのまでフォローされています。
やはりお土地柄に合わせて栽培する作物も違うようです。
文章力がないのでポイントだけ抜き書きを。
- 東南アジアのようなイモ類を主食としている所*1は種の必要性が低いのでN倍体を利用した作物改良がすすみ種なしパンノキなんてのが出ている
- サバンナでは家畜や肥料の活用が他の地域ほどされず、雑穀を撒いて人手をかけて育てるという方法により生産性の限界
- 焼畑頼みは一時の生産性は兎も角、余剰作物は稼げないので山岳民族は小王国が規模限界 ネパールには盆地の生産力があった
- 作物の多面的利用*2は農業発達史の観点では原始的であるという点が個人的には印象深かったですね。「羊|鯨に捨てるところ無し」なんて言葉は資源開発の余裕がなかった事による弊害なのかな~とぼんやりと考えさせられました。
初版が1966年と相当古い本である事もあり、太平洋戦争直前のカロリン諸島に数か月滞在していたエピソード、トーモロコシ、スエーデンという表記など時代を感じさせる内容もありました。