Bye Bye Moore

PoCソルジャーな零細事業主が作業メモを残すブログ

【読書メモ】コレクションと資本主義

何となく図書館で目に入ったので借りてみました。
経済学が専門の水野氏と、美術取引が専門の山本氏による対談本という変わったスタイルの新書で、中々面白い本でした。

気になった所、箇条書き

17世紀ジェノバの長期国債は1.1%台に突入した。
これは、低金利で大騒ぎしている今の先進国と同レベル。
この時代、山の斜面までワイン畑*1で埋め尽くされるほどに投資が行き渡り、現代と同様にカネ余りが生じていた。
ここに、大航海時代と出版革命がマッチし、資本が世界中に拡散、投資される事で一応資本主義は維持された。
現代の資本はどこに圧力を解放するのか?

キリスト教……というかローマカトリックにとって、時間は神の物であるという概念。
古来キリスト教では、時間から価値を生じさせる利息は違法かつ非道徳であるとされていた。
現在ではイスラムでも利息はダメで、イスラム金融という出す側も受ける側も一定のリスクをお互い負うスタイルが確立している。

上掲の時間は神の物という考えは更に、「法人」という永遠の命をもつ商業目的の主体が誕生する事も問題視した。
最後の審判で、法人は裁きを受けないというわけだ。

他にも、私掠船はすべてを奪わず、事業主が採算ラインが確保できるところまでで逃がし、次の航海を諦めないようにする等々……
中世欧州の真っ黒な事情が垣間見えて中々収穫の多い本でした。

*1:当時の最新技術の集合体