最近、流通の歴史に興味が出てきたので、色々調べてます。
今でこそ電子商取引といった実物抜きの取引が実現してますが、
経済の基本はモノのやりとりです。
今回紹介する「東アジア内海世界の交流史」も、
そういった日本や中国、東南アジアにおけるモノのやりとりの歴史みたいなものを期待して手にしたのです。
実際に本書で扱っている内容は、ちょっと違いました。
あとがきにも言及がある通り、流通システムを考える場合
- 供給地
- 中間集積
- 消費地
のそれぞれの文化的背景、気象環境を含めた一連のプロセスを分析する必要があります。
これはかなり骨の折れる作業で、体系だった解説をするには広い知識が求められます。
必然的に執筆できるテーマは限られますが、その分どれも興味深い内容です。
私が興味を持った分野を掻い摘むと
と、かなり幅があります。
でも、これらはれっきとした経済活動です。
どんな市場でもそうですが、最初ボロ儲けできたとしても結局は皆が納得する所に落ち着く事例が並んでいます。
お天道様が見てる……じゃないですが、案外人間社会って上手くできてるもんだなぁと感心しきりでした。
文体は私のような門外漢でも引っかからずに読み切る事ができるレベルです。
文化人類学系の研究会でまとまった成果を元に、一般書化を意識して体を整えた格好なので、専門用語には都度注釈がついています。
分量は結構多いですが、読みやすいくってためになる系の本なのでオススメです。
参考もと
- 作者: 加藤雄三,大西秀之,佐々木史郎
- 出版社/メーカー: 人文書院
- 発売日: 2008/03/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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