というわけで、日本のコンテンツビジネスの商流まわりについて実務に関わっている人という事になります。
元がコンサル屋さんなのか統計や業界白書をベースにしたしっかりとした図表が多いのが本書の特長の一つになります。
縦軸時系列、横軸にアクティブユーザー、円の大きさが市場規模なんて図を霞ヶ関資料以外で見る事になるとは思いませんでした。
日本のコンテンツビジネスが強い理由を歴史的経緯からくる業界構造に求めています。
鉄腕アトムからはじまる、関連グッズまわりで売り上げを回収するモデルや、政策委員会形式など。
日本の、いい意味でも悪い意味でもコネと信頼で動いていく商流こそが、オタクコンテンツビジネスの強みであると考えています。
ディズニーのような巨人からはじまるトップダウンではなく、小規模事業者のあつまりである職人集団と、互いに極端に力を持たない出資側という構造が世界で受け入れられるコンテンツ作りの足腰になったのだと。
さらに、近年みられる海外での流行は、偏見が発生する歴史的経緯がなかった分クールなものとして受け入れられたという事が原因と考えているようです。
……という事は、これ次の世代では「パパやママが好きな古臭いの」になるって未来もおそらくありますよね……。
Twitterなどでは*1業界構造について色々いわれる事が多いですが、こういう切り口で日本の強みというのが見出せるのは個人的にはうれしいですね。
*1:まぁ、不満のある奴の声がでかいからある意味当然なのですが