- 高い融点が必要という観点で、硝子と鉄は先進文明の象徴であった
- 再生についてはその限りではなく、純度の高いものを砕いて型にいっれば青銅よりやや低い800度程度でいける
- 特に古代世界においては混ぜ物で生成地が分かる事がおおい
- 安定度の高いガラスだが、劣化しないわけではない。虹色っぽい光沢を放つ銀化というのがある
- 古代*1の時点で製品として以外にインゴットとして加工素材として流通するにまでなっていた。船のバラストとしても使われていたらしい。
- 東アジアでは硝子製品は威信財・威儀品としてか、仏教関連アイテム*2として取り扱われた。
- 弥生時代の諸国に威信財として硝子製品*3が与えられたが、日本の文脈で意義を理解させるように当時から流通していたアイコンである勾珠を硝子で作った。
- 仏教でいう七宝のうち、瑠璃に相当するのが硝子というような認識*4で供物や仏舎利を納めたり、仏の威光をしめすように仏画に書かれたりしたらしい
- 時代が下って南北朝期の中国は闘富と称して貴族のマウンティング合戦に硝子製品が珍重されていたそうだ。この頃には魔術的魅力よりは、透明性を価値とする食器として用いられた。
騎馬民族の示威という文脈であれば、石貨やサハラ・アフリカの贈答品としての牛ように「文脈に縛られた価値で評価される可視化された人的資本」という側面もあったかもしれませんね。
著者の方の経歴が中々面白く、東大文学部の西洋史専攻から電機メーカーに就職、思う所があって同大文学部の考古学専攻に鞍替え……と、それで一冊書けそうなキャリアをされています。