中国やドイツのような、国内蓄積が多い国*1の捻じれを、
過去は植民地が、今はアメリカが大市場として吸収している事で成り立っているというのが著者の主張。
さらに突っ込んでいえば、貿易黒字とは国内国外を巻き込んで資本家が肥え太っているという考え……のようです。
で、その対策として社会保障やら(中国に関しては)戸籍制度の見直しで労働者の方を太らせろという話なんですが……個人的には(読み込みが浅い事は認めつつも)どうも腑に落ちないという印象。
たとえば我が日本国の場合、国内消費が底堅く、故に資本が国内にとどまったので未だに経済大国としての位置を確保できているという見方もあります。
これが一億総中流だの、失われた何年だのと出羽守様の酒の肴になっているわけですが……これを中国ないしドイツでやるとなると、どうも疑問符がつきます。
国内投資が巡り巡って流動性が尽きて金利がダダ下がりしたという事例もあるので、私はあまりこの論を信用はできないですね。
*1:著者は労働資本の不当な圧縮が原因と考えている