Bye Bye Moore

PoCソルジャーな零細事業主が作業メモを残すブログ

【読書メモ】潰れかけたホテル・旅館を半年で再生する方法

当たり前の事を当たり前にやるのは、実際大変。
経営やりながら他所の会社みてると、本当にそう思います。
いわゆる「当たり前」をちゃんとできる人が少ないから、中小企業の半分は3年もたないんでしょうね……。

さて、今回の本は、そんな当たり前が山ほどある業界の筆頭、ホテル業界のお話。
著者はホテル・旅館立て直しのコンサルタント
立て直しミッションは銀行やら支援団体やらが入った状態が多いため、中々愉快な状態におかれている所が多いそうで。

経営やっていると分かる、ゼニ周りのいや~なお話がいくつか載っていて他業種でも十分勉強になる内容。
中でも、料理長が実質仕入れを支配しているって話は、中々渋かったですね。
拘りがある職人風な台詞を吐いておきながら、実際は着服やキックバックでお財布愉快。
バブル期にブルーカラーが儲かったのは廃材横流しや下請けのキックバックが正体だったって話はよく聞きますが……景気が悪くなっても同じでは、そりゃねぇ……。

あとは、宿泊施設という業容からして、利益は飲料、それも瓶ビールじゃなくて、カクテルとか地酒みたいなのが好ましいとか。
生ビールは専売契約すると販売量に対して報奨金的なものが出るとか。
知らん業界の話を知るのは面白いですね。

個人的に印象に残ったのが、著者がBSよりPLを重視している点。
今まで読んできた社長語りな本って、PLよりBSだって論旨が強かったんですよ。
まぁ、資金調達をする上で、財務上キレイにって意味合いだったんですけど。
この本のケースでは経営立て直しなわけで、債務放棄でBSが改善しても、PLがそれまで通りではまた借金が増えるじゃないかという。
う~ん……一時のウチの会社をみてるみたいだぁ……。